【活動報告Vol.6・裏話】
焼き印をやめた理由――想いと味の、せめぎ合い
『昭和百華』のカステラには、当初ロゴ入りの「焼き印」を施す予定でした。
贈り物としての特別感を高めるため、特注で焼き印を製作し、位置や押す角度の再現性などを検証しながら、何度も試作を重ねていました。
しかし実際に押してみると、焼き色や表面の状態に左右されやすく、毎回焼き印の濃さや位置にムラが出てしまいました。
さらに、焼き印を入れる部分に焦げの風味が残り、せっかくのしっとりとした味わいが損なわれてしまうという問題も判明しました。
贈り物としてお届けする以上、「見た目の演出」だけでなく「味の完成度」にも一切妥協したくない――。
そう考えた私たちは、焼き印を断念するという決断を下しました。
この時点で、計画は振り出しに戻りました。ロゴをどう表現するのか?
想いをどのように届けるのか?
一つひとつのデザインや構成を、再びゼロから見直す必要がありました。
それでも私たちは、「焼き印がなくても、このカステラに込めた想いは十分に伝えられる」と信じています。
大切なのは形ではなく、誰かを想って贈るという心です。
丁寧に焼き上げ、包み、届ける。
すべての工程に、真心を込めています。
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