「サバカレーパン」で目指した想い
有限会社 齋藤アルケン工業
代表取締役社長 齋藤憲嗣
誰かのために役立てることが “やりがい”
先代が立ち上げた内装業の市場減少もあり事業継承が上手くいかず、仕事や家庭、何もかもがどん底だった頃に経営について相談していた方から「何がしたいのか?」と問われ、苦しい自分から「人の役に立つ仕事がしたいです」と出た言葉がきっかけで、介護事業を立ち上げました。立ち上げ当初の数年は上手くいかない日々が続きましたが、諦めずに歩みを止めなかったおかげで、今があります。
現在は、人の役に立てる仕事、「ありがとう」をいただく仕事を日々追求し、地域で必要とされる存在でいられるようにやりがいを持って、日々、会社の仲間たちと精進しております。主な事業は4つあり、に浜田市内で「介護事業」、介護施設へ食事を提供する「食品事業」、イベントでのゴミ削減のためリユース食器をレンタルする「環境事業」、住まいの環境を整備する「内装事業」を行っています。
マンネリ化した “介護の食事” を
女子高生とメニュー開発
介護の仕事に携わっていると様々な悩みや問題に直面します。その中の一つに介護施設に食事を提供していると毎日の食事に飽きてしまう悩みがありました。その悩みを解決するため、昨年、島根県立浜田水産高校食品流通科の三年生とコラボして、新メニューの開発に取り組みました。
生徒のアイデアは斬新で、浜田港で水揚げされたサバの缶詰を使った「サバカレーパン」を提案してくれ、生徒のみなさんと一緒に実際の介護施設で提供することができました。当日は、入居している多くの高齢者の方々の「笑顔」や「ありがとう」がいただけ、大変嬉しかったです。
「サバカレーパン」を商品化しよう!
高校生の未来を応援したいという想いから
介護施設のメニューとして開発した「サバカレーパン」の商品化のきかっけは、開発を手伝ってくれた地元の高校生たちにも気軽に食べてもらいたい。高校生と一緒に作ったアイデアが実現することを地域に伝えることで、夢や希望を持ち社会に出ていく高校生たちに、自信を持って色んなことにチャレンジして欲しい願いがありました。そんな願いと商品アイデアの反響もあって「サバカレーパン」を商品化が実現し、発売を開始することとなりました。
なぜ?製造が障がい者就労支援事業所なのか?
女子校生のアイデアで誕生した「サバカレーパン」を作るのは、地元の障がい者就労支援事業所「プチマタン」の障がい者の方々です。協力を依頼した理由は、障がい者就労B型の賃金体系が生産物に対する成果報酬の「工賃」で支払われるため、商品を多く売れば、賃金が増えると知ったことからでした。介護事業を展開する中で、現状できる社会貢献を考え、地域の力になれればという想いで、製造をお願いしました。お蔭様で多くの方々に「サバカレーパン」を食べていただき、嬉しい声もいただくことができました。本当にありがたいことです。
地域のみんなで “幸せ” になる
私たちは、地域の様々な困りごとや心配ごとを解決するお手伝いをすることで、地域の方々と一緒に笑顔になりたいと願っています。自分たちの技術や知識では解決できない問題でも、地域の資源や人と繋がり、多くの方々のパワーで住み易く、住みたい地域にしたいなという想いがあります。私自身に気持ちの余力があるうちは、誰かのために役立てるように、そして、みんなで一緒に幸せになるために、わたしたちでは出来ないことをみんなで実現したいなと考えています。